色のコラム

2021.3.17
「風の色、土の色」

    


桜のたよりが届きましたね。

不自由な生活も2年目になりました。
ただ、今年から風の時代に入ったと、
普段、占いを信じない人からもそのような声を聞きます。
「土」の時代から「風」の時代に入ったということです。
物を所有して身動きが取れなくなるよりも、
身軽に動く自由を手に入れる時代ということでしょうか。

JAFCAでは2022年秋冬に向けての色選定がほぼ終了していますが、
服飾ファッション、プロダクト、インテリアの色選定の席上、
UGe.Ⓡ(アッパージェネレーション研究会)の委員会で、
「風の時代」が話題になりました。

コロナ禍の一年で、私たちはたくさんのことを学びました。
きっと時代の流れでもあったのでしょうが、
政治、経済、社会の仕組みで、これまで黙って見過ごされてきた、
いいえ、見て見ぬふりをしてきた問題が表面に噴き出すようになりました。

働き方も変わった方も多かったのではないしょうか。
デジタル化が急進しましたね。
本当に、私たちの身の回りで変化の風が吹きました。
そして、この風はさらに、吹き続けるでしょう。
カラー選定の場面では近年「土」がクローズアップされています。
そうです、土の質感や色が注目されているのです。
同時に「水」や「光」のような形をとどめないもの、逆に言えば器によって形を変える物、
見る角度によって不思議な美しさを見せるものが、カラー選定のルーツとして挙げられています。

流動的で形を定めずに変化し続けるという点では
「風」も大事なデザイン要素になりそうですね。
「土」と「風」は、どちらがかけても互いに存在することができないでしょう。

私たちヒトも環境も、すべて「関係」を持ちながら動いています。
カラーも「関係」によって意味も味も変わります。

さて、風の時代、皆さんはどんな色が気になりますか?
大変な時代ですが、答えのない時代、試行錯誤ができる時代でもあります。
一度、好き嫌いを取り払って、いろいろな色を身の回りに置いてみてはどうでしょう。
その時に、色と色との「関係」に驚くことができたら、あなたの人生は劇的に変わる!
かも。


 

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