色のコラム
JCCクリエイターが語る雑貨の世界 今田レポート⑮
今田 正義 イマダプランニング 代表
|| 「雑貨市場の今」
去る7月9、10,11の三日間・東京ビックサイトにて開催されたファッション雑貨、
テーブルウエア雑貨、国際雑貨、そしてキッチンウエア、文具、子供用品など。
いずれも雑貨的な展開をし、雑貨販売関連業者で賑わい、ごった返していました。
7月21日のNHK・BSで「美の壷・ヴェトナム雑貨」で紹介された「陶磁器、お茶、
ランプシェード、鳥かご、編み籠、そして衣類のアオザイ」などがあり、
昔、秀吉時代の16~17世紀に朱印船貿易で陶磁器、絹、綿布を輸入しました。
そして、新聞紙上では「雑貨デザイナー」の呼称を見るようになり、今年の初めに、
おしゃれなファッッション雑貨、文具雑貨の北欧の大手チェーン「デンマークの
フライング タイガー、ソストレーネ、スエーデンのラガハウス」が関西地方に展開し、
そのデザインに影響された日本の文具・服飾雑貨など、上記のビッグサイト展で
非常に多く見受けられ、「雑貨的感性」を持たなければ、流行遅れになりました。
|| 「フアストフード」から「フアストファッション雑貨」へ
フアスト フード(fast food)は注文してすぐ出てくる料理です。手早く食べられる、持ち帰り出来る「アメリカの軽食・ハンバーガー、フライドチキン、ホットドッグ」は簡単に食べられ、高カロリーの食べ物が1970年代に日本中に急速に広まり、このフアスト フードになぞらえた造語が「フアスト ファッション雑貨」です。
ユニクロ(日本)、GAP(米国)、H&M(スウェーデン)、ZARA(スペイン)などが流行を取り入れつつ、大量生産による低価格で、短期間に販売してしまう事で、ファッション界をリードしていると言っても過言では無くなりました。
フアストを(first = 最初の、一番目)と混同して使用している物を見かけます。
発音は似ていますが、全く異なる意味です。
フアストフードは日本の食べ物で言えば、そば、うどん、牛丼、てんぷら、寿司、おでん、串焼き、ラーメン、カレーライス、ピザ、スパゲティ、などなど、、、。
ユニクロの新聞広告「ドライ カノコ ポロシャツ 59色、ドライ EX ポロシャツ23色、ドライ シャツカラー ポロシャツ 29色、マイケル・バスティアン ポロシャツ73色」、多色展開された合計184色の物量に圧倒されます。
ユニクロ他を何故フアストファッション雑貨と呼ぶのかは、廉価で安直なこと、購入を真剣に考えたり、労力と時間を費やして選んだりしません。買って、着て、飽きたり、気に入らなければ捨てる、、、消耗品なのです。
「着用する遊び」と言う種々雑多な安直服飾雑貨です。ユニクロが市場世の中へ出始めた当時、安くても予想以上に丈夫で、次第に消費者に浸透していきました。
今でも、気にする人は外出時に見える外側に着ず、内側へこっそりと着ています。
新聞ニュース(読売新聞6月末)によれば、ユニクロの売上高は1兆1千億円で、世界中のフアストファッションの第4位で、本当に凄い事だと感心しています。
私の知る限りですが、一兆円を超えるアパレル産業は他には見当たりません。
スーツとか高価なジャケットはじっくり見て、試着し、場合によっては寸法直しをし、次の、その次のシーズンも着るので、すぐには捨てません。そして10年以上昔に求めた背広を大切に着て、そしてタンスにしまい込み続ける事も有り、やがて粗大ゴミ化となるのです。

白山陶器の平茶碗