色のコラム

2014.03.23

日本の流行色・1960年



|| シャーベットトーン

2012年春夏ファッションでは、「シャーベットカラー」「マカロンカラー」などとよばれる、ビビッドカラーに白を混ぜたような、ペールな色合いが話題をよんでいます。特に、コーラルやミントグリーンが店頭でも非常に多くみられます。

「シャーベットカラー」といわれると、アイスクリーム屋さんにならぶ優しいカラフルなカラーを思い浮かべることができると思いますが、かつて1960年代に、「シャーベットトーン」と呼ばれる流行色がありました。
下記のカラーが、1962年春夏ウイメンズカラーとして発表された「シャーベットトーン」です。左の4色はアクセントカラーとして強めのトーンのカラーが配置されていますが、それ以外は淡くクールなトーンのカラーが色相別に並んでいます。
 当時このカラーをもとにして「シャーベットトーン」というタイトルで、様々な業界をわたった巨大カラーキャンペーンが開催され、シャーベットカラーが大ヒットしたということです。
 ことの成り行きを過去の「流行色」誌から、ご紹介しましょう。

 

|| 当時の「流行色誌」より

JAFCAの発表したカラーパレットを合成繊維メーカー東洋レーヨン(現・東レ)の色彩デザイン担当者であり、当時JAFCAの専門委員であった松田氏が会社に持ち帰り、カラーキャンペーンを始めることになった。
このキャンペーンは東レを中心に、資生堂(シャーベットトーン口紅)、東芝(シャーベットトーンの電化製品)、西武百貨店(シーズンのファッションカラー)など50社にあまるコンビナートキャンペーンとなり、また本物のシャーベットを販売する不二家も参加、東芝レコードからは香山ユリの「私はシャーベット」が発売された。その他、傘、ブラウス、靴、ハンドバッグ、アクセサリーに至るまでシャーベットトーンで市場が埋め尽くされ、女子大学生、OL、美大生を対象とする電通の調査では、知名度96.87%を誇る史上最大のカラーキャンペーンが実現した。

60年代は51年のナイロン製造、58年のテトロン生産開始の後を受け、化合繊界の革命的発展が続いた時期であり、シャーベットのようなパステルカラーが大量生産のラインに乗る好機であった。

またこの成功は、日本人の色彩感覚を一歩前進させることにもなった。それまでの流行色は単色レベルに留まっていたが、シャーベットトーンは生活者に初めてトーン意識を認識させたといえる。ファッションだけではなく、化粧品、家電商品などの幅広い業種を巻き込んでのキャンペーン展開により、生活者は生活の中での色調の統一、カラーコーディネート意識に目覚めたといえるだろう。


60年代にはこのようなカラーキャンペーンが盛んに行われました。若者を中心にファッションが多彩になり、高度成長とともにさらカラフルなカラーが流行するようになります。
 


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