色のコラム

2014.03.01
JCCクリエイターの方々にお願いしたアンケート回答やミーティングでのご発言を基にして、簡単ですが"流行色と景気の関係"について、下記のように取りまとめました。



|| 流行色は景気に関連する

ファッション業界には、古くから「不景気になると地味な色が流行る」という言葉が存在します。
その根拠は、景気が悪くなると生活防衛意識が強まり、"長く着られる色"が求められると言うものです。さらに、商品を提供する産業界も、不況時には失敗を恐れて無難な定番色に集中するきらいもあります。
"ファッション"は時代の気分をストレートに反映します。当然、ファッションと連動する流行色も景況感に影響を受けざるをえないといえましょう。

 

|| 過去の好況時・不況時の流行色

私たちが大きな不況感を強く感じた時代である、'73年の第一次オイルショック後のマイナス成長と'90年代のバブル崩壊においてはどんな色が流行ったのでしょうか?
'73年のオイルショック後には、倹約志向や自然志向が強まり、ホームソーイングやハンドメイドが流行るとともに、茶系やカーキを中心とするアースカラーが氾濫しました。
一方、バブル崩壊直前の'90年には、「紺ブレ」の大流行が見られ、これ以降、カジュアル感覚の単品コーディネート時代が本格化します。
バブルが崩壊した'92年には、黒、白などの無彩色による「フレンチカジュアル」がヤング女性中心に大流行。男性はMA-1などの「サープラス(軍放出品)」が人気でした。翌'93年には、グランジ(汚い)ファッション、レイヤードファッションが流行し、ナチュラル志向のオフホワイト、ベージュなども人気を集めました。
このような動きとは逆に、強い好況感が感じられたのはバブル景気の時代でした。
バブルの始まりとされる'87年には、一気に上流志向が強まり、男女ともに上質な服が志向される一方で、「ボディコン」が大ヒットします。このボディコンスタイルでは強烈なビビッドカラーが使われました。

●でも・・・
以上のように、過去の流行色の流れを踏まえれば、消費者は、「経済効率や着用効果の面から、不況時にはベーシックなカラーを選びやすく、好況時には色を楽しめるような、明るい色、鮮やかな色、個性的な色を選びやすい」と言うことができるでしょう。
とは言え、現在では、ファッション表現の個性化が進むとともに、「ユニクロ」や「H&M」のように、廉価でデザインや色を楽しめる環境も整っています。
その上、 '90年代から主流となった単品コーディネートファッションでは、"組合わせ"という性格上、好不況に関係なく、ベーシックカラーがワードローブの基本となる状況にありますので、以前ほどには効率・効果をもとめる動きは顕在化しないように思われます。

●銀座の街頭での服装色調査から
(財)日本色彩研究所のご好意により、同研究所で1954年から銀座の街頭で行っているレディスウェアのカラー調査データ(この調査結果は「ファッション・カラートレンド50年」として2007年に発行されています)を提供いただき、1970~2006年のシーズン別に主要トーンとカラーについてのグラフを作成しました。
(残念なことに、データの欠落箇所がバブル崩壊の時期に重なっています)
好不況が直接色に反映されるのではなく、その時々のファッションというクッションを経て現われることに加え、銀座という土地柄、更にその年に売れた色と着用色がイコールでないことなどの理由もあってか、上記の内容を素直に検証できるグラフではありません。
これらのグラフもご覧頂き、皆さま独自の"流行色と景気の関係について"の自論をお考えいただければ幸いです。

 
景気と色彩の動向

景気と色彩の動向(162.5KB)



Copyright (C) JAFCA - Japan Fashion Color Association