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JCCクリエーターが語る陶磁器の世界 今田レポート④

「秋の旬を食べる」

今田 正義
イマダプランニング 代表

 直木賞作家で陶磁器に精しく著書もある故立原正秋のご子息が銀座八丁目で、
割烹「立原」をやっておられる立原潮さんに「秋の旬」を料理して頂き、取材しました。

 俳句の「秋の季語」にもなっている「秋なす、ずいき」と「ゆば」を材料に日本料理の心である自然を生かした調理です。焼いた秋茄子。ずいきは乾燥した里芋の茎を水でもどし、煮るのが一般的のところ、潮さんは「旬」を生かすために「生」のずいきを使われています。


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 秋の旬の煮もの
 料理・立原潮作
 「焼きなす、ずいき、ゆば」








 試食させて頂く。ずいきは歯ざわりが心地よく、焼きなすの柔らかさに、ゆばは少しかため、鰹節、昆布、醤油で繊細な味付け。これぞ日本料理の絶妙な上品な食感です。
 外国の人が味が薄いとか、味が分からないとか言う「秋の旬を食べる」取材でした。

 器は瀬戸焼の林芳佳(くによし)さん作の磁器製・多目的使用の鉢で、潮さんの指定。
鉢の見込み(中)の絵柄の染付け・呉須の色は渋く、ろくろ跡が掌に優しく、店主・潮さん好みの落ち着きの逸品です。


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 瀬戸焼・磁器・鉢
 林芳佳 作







 「旬」の事を日本調理師技能士連合会最高顧問の阿部孤柳さんに伺いました。
「四季の変化を料理に感ずる日本人は一つの素材を三回楽しみます。たとえば6月1日は鮎の解禁日で、塩焼きの鮎を「走り」と言い、鮎が成長する「旬」を賞味し、秋の落ち鮎を「名残り」と言い甘露煮で食べます。
 「旬の食材」は豊富で大きく味も良く、量も多いために安くなります。今日では品種改良されて、ハウス栽培で真冬でも夏野菜のきゅうり、トマトが有りますが、味も栄養分も半減します。江戸時代に江戸近郷の農家では障子を立て囲み、火鉢を持ち込んで暖かくし、野菜を育て、「走り」と称して高値で売る。幕府は贅沢だと禁止しました。

 季節に敏感な日本人は食品にも季節を重んじて、魚偏に春と書く「さわら」は早春から
春にかけて美味しく最高です。
 魚偏に暑いと書く「しいら」は夏が「旬」、この文字は国字。魚偏に秋と書いて「どじょう」。魚偏に冬は「こはだ、このしろ」。魚偏に雪は「たら」の国字で、冬の鍋物です。

 近頃の日本人は挨拶をしなくなり、味覚障害者が増えたと言われています。季節を愛で、家族団らんの食事が少なくなったのも原因の一つと言われています。
 山ばかりの日本列島の昔の日本人は少ない食糧で食べていたので、自然の物を大切に
きのこを採りに行っても全部採らず、来年のために少し残す、はぐくみの心が有りました。
 地球的規模で魚、肉、野菜を輸入し、飽食の時代と言われ続けた結果が日本人の
味覚を変えつつあります。
                                               
 次回は陶器(土もの)のお話です。お楽しみに。

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