クリエイターが語る陶磁器の世界 今田レポート⑥
陶器の「窯変」「焼き締め」「変形」
今田 正義
イマダプランニング 代表
今回は「焼き締め」についてのお話です。
最も日本的な器「焼き締め」は成型した器の素地に釉薬を付けないで、高温で焼成したものを「焼き締め」と言います。
愛知県・常滑焼、滋賀県・信楽焼き、三重県・伊賀焼、兵庫県・丹波焼、岡山県・備前焼、福井県・越前焼、中世からの古窯の焼き物産地です。

信楽焼の煎茶茶碗
硬い焼き締めなのに、手ざわりのやさしい茶碗です。
信楽の粘土は古代のびわ湖であった湖底の土と言われ、長石を含む良質な素材です。
いずれも素朴で地味な器ですが、壷や茶碗には奥深い味があり、北大路魯山人が愛でた豪快な大型の「焼き締め・まな板皿」など、一般家庭の食器ではなく、茶道の容器や、割烹料理でお客を喜ばして、お金を頂くプロ好みの器です。

まな板皿
釉薬を薄くかけ、窯変させた皿。
料理は「強肴・しいさかな」
全国日本調理技能士会連合会
井上稔師範作
この「焼き締め」は水に濡らすと「濡れ色」になり、風情のある景色となるので、料理を
盛る前に器を水に漬けるのが手順です。

異なる色の土を練りこんで皿状にし、縁を波状に曲げて、水の流れを表現した皿です。
鮎塩焼き
佐賀県嬉野温泉・和多屋別荘
平成の始め頃、民芸の陶器がブームになった時、「焼き締め」も流行り、この間まで
魚屋だった人まで、陶芸に精を出し、田んぼの下層に在る粘土を採るために、むやみ
やたらと備前地方の田んぼが掘り返された事があったと言われるほどでした。

備前焼・徳利と盃
器の表面が焼成中に灰をかぶり、ざらざらした荒れ肌の効果を出しており、備前焼ファンの目のつけどころになっています。

ぼた餅
備前焼にみられる装飾法の一種。焼成する時、皿の上に茶碗などをのせておくと、その部分が灰をかぶらず「ぼた餅」をのせたように模様ができる皿と言います。
さしみ
全国日本調理技能士会連合会
梶原正行師範作
次回は陶器の変形(デフォルメ)についてのお話です。