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インダストリアル・デザインと色〜白物家電でシルバー人気?

インダストリアル・デザインと色

「流行色」といえば、アパレルファッションの世界の言葉と思われる方が多いでしょうが、そんな風に限定しないで色の流行りすたりを観察すると、「流行色」の世界はもっと身近で楽しいものになります。インダストリアル(工業)・デザインの世界でも「流行色」があって、ファッションと同じように色の移り変わりが見られます。だって、好きだった色がなんとなく気に入らなくなったり、関心のなかった色が妙に気になるようになったりってことは、服の色だけじゃないですよね。あと、白は白でも素敵だな~と思う白があるかと思えば、なんとなくイヤだな~と思う白があったりしますよね。カラーデザインという言葉は馴染みがないと思いますが、すべてのデザインにおいて色が果たしている役割って大きいと思いませんか?ここのページでは家電とかクルマとか、ケータイとかというインダストリアル・デザインの色について、気ままに書いてみたいと思います。

JAFCA広報部 川村雅徳

白物家電でシルバー人気?

reizouko.jpg白物家電という言葉をご存じですか? 冷蔵庫、洗濯機、エアコン、電子レンジ、掃除機などの生活必需品といえる家電のことをこう呼ぶのです。いつ頃から言われるようになったかは定かではありませんが、冷蔵庫、洗濯機、白黒テレビが「三種の神器」と言われて庶民の人気を得たのが58年のことですから、早くても60年代以降のことなんだと思います。なぜ白物家電と呼ばれているのかといえば、そう、予想できますよね~。白い色の製品がほとんどだったからです。ちなみに昨年2003年から、デジカメ、薄型テレビ、DVDレコーダーの3製品が「新三種の神器」としてもてはやされていますが、実は66年にも新三種の神器ということが言われていました。その当時はカー、クーラー、カラーテレビが人気で、それぞれの頭文字をとって3Cなんて呼ばれていました。

話を色のことに戻しますが、今は、白物家電でシルバーが人気となっています。最近、家電のお店に行かれた人なら誰でも気付くくらい、シルバーの製品が多くなっています。特に多いのが、冷蔵庫、炊飯ジャー、食器洗い乾燥機、電子レンジといった台所空間を彩る製品です。でも実はシルバー家電が出始めたのは90年代末なんです。それまでもメタリック塗装を施した電子レンジなどがありましたが、今回のシルバームーブメントで先鞭をつけたのは三菱電機と三洋電機でした。三菱電機はシルバーの炊飯ジャー、三洋電機は洗濯機や掃除機を発売していました。昨今ほとんどのメーカーがシルバーとなっている食器洗い乾燥機で先駆けたのも三洋電機でした。当時は、カラフルなiMacの大ヒットにより家電製品全体としてはカラフル化が広がっていました。そのため、三菱電機や三洋電機のシルバー提案が記憶に残っている人は少ないかもしれません。しかし、今日の台所家電におけるシルバーブームは結構前に芽吹いていたのです。

suihanki.jpgシルバーといっても、その展開の中心となっているのはステンレスボディというカラーデザインです。ステンレス協会の家電機器におけるステンレス鋼板需要動向の統計を見ても、2002年に需要量がグンと伸びています。また、同協会が1993年度から実施しているステンレス協会賞の第10回の顕彰で三洋電機の冷蔵庫が最優秀賞を受賞しています。ステンレスという素材は高級感、清潔感がある一方で、無機質さ、冷たさを感じさせます。ですから今日では、低彩度な着色やコーティングによってマイナスイメージを抑える工夫をしている例が少なくありません。

新奇なカラーデザインが必ずしも人気を得るわけではありませんが、カラー企画を考える場合には、さまざまな製品における新しいカラー提案についてアンテナを張っておくことが大切なのです。シルバートレンドに関しても、家電製品だけに見られる流行現象ではありません。詳しくは当協会発行のCD-ROM『ファッションカラーハンドブック』に書かれた「シルバーのブーム」をご覧ください。(2004.9.29)