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JCCクリエイターが語る陶磁器の世界 今田レポート⑤

陶器の「窯変」「焼き締め」「変形」

今田 正義
イマダプランニング 代表

 陶器(土物)の三つの特徴「窯変」「焼き締め」「変形」についてのお話です。
そして 日本人の心になった「茶の湯と陶器」に続きます。

 「窯変」とは文字どうり窯の中で焼き上がる時、器にほどこした釉薬や炎の性質が原因で生ずる素地や釉薬の変化の事です。
 予期しない、予期以上の偶然が器の表面に生ずる効果を言います。


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土物特有の部厚い素地に塗られた釉薬が焼成中にガラス状に変化し、鉢(左)の底は水たまりのように見えます。
皿(右)は雪の結晶状に窯変しています。








 同じ形状の片口小鉢に同じ釉薬を付けて、窯の中で隣り合わせに並べても下の写真のように違って焼き上がります。どちらの窯変を採るかは作者の意図と目によります。



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同じ状態で同じ釉薬が違った効果になった例。
佐賀県唐津焼三里窯製

 





 下の写真は焼きむらの出た「信楽焼」の小鉢。
茶道の茶碗では作者の意図どうり、意図以上に出た「窯変」を「景色」と言って珍重します。



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信楽焼の鉢
焼成中の焼むらの出た器。
料理・貝の酢もの
全国日本調理技能士連合会
宮下 稔 師範作





 ところがこの「窯変」を良しとする意見と、良くないとする意見があります。
 茶の湯の器では100個焼いて、作者の予期する焼き上がりは1~2個と言われ、気に入らないのは廃棄されるために当然一個の茶碗の値段は高くなります。
 窯変を求めて苦心する陶工は「窯変を認めて美を発見するのは作者の目だ」
「窯変も求めなければ出てこない」とも言われています。

 東京芸術大学・故西田正秋名誉教授は著書・人体美学上巻・工芸109頁に
「陶磁器の芸術性に対して、致命的欠陥があるところは、窯変と称して窯中での焼成の結果、釉薬が非意図的に効果を表現した場合を非常に喜ぶと言う事に有ると思う。」
 この指摘は窯変にたよる陶芸家の自信の無さが欠陥とされる所以であり、むやみやたらと変色や変形をありがたがる事を排除されています。
 他の芸術作品「版画や抽象絵画・彫刻、ガラス工芸などの場合も人の手の及ばない偶然に生ずる効果を大切にするのは作者の目が無ければ単なるまぐれ当たりの産物でしかないのです。



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窯変した筒形の鉢。
盛り付けの妙でみごとな揚物料理。
全国日本調理技能士連合会
豊岡 正勝 師範





 次回はこれぞ日本の器「焼き締め」です。






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